環境対応型高分解能走査透過型電子顕微鏡:JEM-ARM200F Cold FE STEMによる成果
高感度エネルギー分散型X線検出器を2台装着したSTEMによる金属セラミックス界面元素分析

本装置の元素マッピングにより、Al合金/AlN結晶中の異種接合界面にはMgOが一層だけ存在していることが明らかになりました。これはまったく予想することができなかった結果です。このような解析が産業用途の材料開発に指針を与えています。
A. Kumamoto et. al., Sci. Rep. 6 (2016) 22936.
クライオ透過型電子顕微鏡: Cryo-TEM JEM-2100F による解析
高分子ミセル型遺伝子デリバリーシステムのPEG層の直接観察

遺伝子デリバリーシステムを覆うPEGシェルの高さを初めて計測することに成功しました。これによりPEG鎖のコンフォメーション、DNAの折りたたみ構造、血中滞留性との構造−機能相関を議論することが可能になりました。
K. Osada et al., Macromolecules, 46 (2013) 6585.
高分解能走査型電子顕微鏡: JSM-7000F によるEBSD解析
SEM-EBSDを用いた多結晶体の結晶方位の解析
合成されたOlivine結晶多結晶体の結晶方位の配向の状態の調査

Olivine結晶を合成する際に磁場を加えると多結晶の結晶方位が揃ってくることがJSM-7000FによるEBSD-mapで確認されました。上の(a)は静磁場の状態 (b)は回転磁場を加えた状態。
S.Koizumi et al., Phys Chem Minerals, 43 (2016) 689.
X線回折微小結晶構造解析装置: VariMaxDula によるAuクラスター構造の解析

日本、カナダ、フィンランドの共同研究チームは、 N-ヘテロ環状カルベン(NHC)配位子を一つ持つAu 11クラスターを合成することに成功し、(a)図に示す構造を決定しました。本成果はNature Chemistry誌の表紙を飾りました。さらに、新奇の金属クラスターをいくつか合成し(b)図のような構造が決定されました。この成果は、J. Am. Chem. Soc誌の表紙を飾りました(c)。
S. Takano et al., Nature Chemistry, 11 (2019) 419.
S. Takano et al., J. Am. Chem. Soc. 140 (2018) 12314.
超微量元素計測システム: NanoSIMS 50L
NanoSIMS50Lを用いた研究例、固体酸化物燃料電池空気極における酸素還元反応の解析

18Oを供給しながら固体酸化物燃料電池で発電を行い、空気極の変化をNanoSIMS50Lで解析した例です。18Oが入り込んだ状態が観察され、還元反応が不均一に行われたことが示されています。
T Nagasawa et al., J. Power Sources, 367 (2017) 57.
XPS PHI500 Versaprobe
XPS PHI500 Versaprobe を用いた研究の例、ナノ物質の構造と電子状態の解析

デンドリマーとよばれる精密樹状高分子を用いて、アルミニウムからなる超原子(Al13−)の液相合成の様子を図(a)に示します。超原子は構成する元素とは異なる別元素に相当する電子状態を有しています。超原子(Al13−)は、図(b)に示すようにハロゲンに似た電子状態を有しています。超原子(Al13−)を、XPS装置を用いて調べ図(c)に示すような超原子が持つ電子状態を解明しました。
T. Kambe et al., Nature Commun., 8 (2017) 2046.