利用成果の実績、人材の育成

秀でた成果の紹介

全国の微細構造解析プラットフォームの利用成果の中から特に優秀な利用成果には、文部科学省が「秀でた利用成果」として賞を与えています。 現在までに東京大学微細構造解析プラットフォームの利用課題の中から以下の3課題が「秀でた利用成果」を受賞しています。

  • H24年度秀でた利用成果
    超構造セラミックスの1次元電気伝導機構解明 ~最先端電子顕微鏡と大規模理論計算を駆使~
    斎藤光浩(東北大学AIMR),Johannes Georg Bednorz(IBM Zurich研)ほか
  • H28年度秀でた利用成果
    受賞課題:黒色酸化チタンのナノ微粒子化に関する研究 -熱エネルギーを保持する蓄熱セラミックスの開発
    所裕子(東京大学;筑波大学), 大越慎一(東京大学)ほか
  • H30年度秀でた利用成果
    受賞課題:ジルコニアセラミックスの力学特性劣化機構の解明
    松井光二(東ソー株式会社) ほか

平成30年度受賞課題「ジルコニアセラミックスの力学特性劣化機構の解明の紹介
走査透過型電子顕微鏡を用いて、ジルコニアセラミックスの力学特性劣化機構の解析を行い、添加元素のYを均一に分散させることによりジルコニアセラミックスの力学特性劣化が抑制されることを見出しました。

1200℃で焼結させたY3+濃度が均質なジルコニアセラミックスの微細組織:(a)STEM像とそれに対応する元素マッピング像,(b)粒界近傍でのHRTEM像,(c)粒界近傍でのY,Al及びGe濃度プロファイル。
K. Matsui et al., Int. Mat. Rev., 63 (2018) 375.
K. Matsui, et al., Sci. Rep. 4, (2014) 4758.

高い技術レベルの支援技術者

本事業は高い技術レベルを 持つ技術支援者によって支えられています。利用者への支援業務の中から特に優れた支援業務については、文部科学省が各種の賞を与えています。ナノテクノロジープラットフォームは安定的な事業の持続により支援機関の技術レベルを年々向上させています。現在までに東京大学微細構造解析プラットフォームの支援業務の中から以下の3課題が賞を受賞しています。

  • H28 技術支援貢献賞 優秀技術賞 技術支援貢献賞
  • H29 ネットワークを重視したX線装置利用支援体制
  • H30 原子分解能STEM-EDSマッピングによる原子カラムの可視化 透過型電子顕微鏡のための高度試料作製技術による支援

支援業務を行っている技術者に対して文部科学省は、技術の熟練度に応じてエキスパート、高度専門技術者、専門技術者の3種類の職能名称 を付与しています。令和元年までに、5名にエキスパート、2名に高度専門技術者の職能名称が与えられています。これらの高い技術レベルの技術 支援者により利用者は各自の研究に専念することができ、良質な研究成果を生み出しています。

H30までの、のべ利用件数の推移を示します。のべ利用件数は増加傾向に あります。日本全国の大学、公的研究機関、企業、学内の研究者に利用されています。日本有数の共用利用設備の拠点へと成長しています。