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実績紹介

非破壊TEM観察による1次元ヘテロナノチューブ構造解析

  • 東京大学a・日本電子株式会社b
  • 項栄a・熊本明仁b・丸山茂夫a
  • 支援者:押川浩之・幾原雄一

MEMS加工によって作製されたSi/SiO2 TEMグリッドをCNT合成基板として採用し、シリコン酸化膜上で単層CNTカイラリティ選択成長が可能なCo-W-C触媒ナノ粒子の構造を非破壊TEM観察により明らかにした。本研究手法は、合成と微細構造解析の両輪を必須とする新奇なナノ材料開発を加速させることとなり、一次元ヘテロナノチューブの創成にもつながった。非破壊TEM観察を応用することにより、最内層が単層CNT、外側の複数層が窒化ボロンナノチューブ、更にその周りでMoS2を合成した3種のナノチューブから成るヘテロ構造の合成にも成功した。このような一次元構造は、特有の曲率効果や量子閉じ込め効果を有することから、新物質として基礎研究での展開が期待される。本研究成果は、令和2年度「秀でた利用成果」に表彰された。
H. An, et al., Sci. Adv. 5, eaat9459 (2019).
R. Xiang, et al., Science 367, 537 (2020).

非破壊TEM観察による1次元ヘテロナノチューブ構造解析
図.(a) Si/SiO2 TEM グリッドの概略図。 (b) Co-W-C 触媒ナノ粒子の原子分解能 HAADF-STEM 像及びSTEM-EDSマッピング。(c)一次元ファンデルワールスヘテロ構造の模式図。 (d)電子エネルギー損失分光法による元素マッピング像。